ためになるお口の情報
能登半島地震と歯科医師の活動(JDAT)
蒲生郡の歯医者「住井歯科・矯正歯科」です。
皆さんご存知の通り昨年、新年早々に能登半島において大地震が発生しました。この際に医科の救援医療チームが出動したのは良く知られておりますが、同様に歯科医療チーム(JDAT)も出動していたのはご存じでしょうか?
意外にも初動は早く、1月9日には滋賀県から出動要請があり、当地(湖東地区)歯科医師会からも25日から28日まで歯科医師救援チーム(歯科医師2名、歯科衛生士1名)が出動しました。
被災地では避難民のお口の問題の確認・集計、それに対する歯科医師・歯科衛生士・歯科技工士の派遣可否。地元歯科医師との連携と必要物資の調達などを行なっています。
まずは現地入りするまでが大変で、交通遮断されている中、丸々一日かかって現地入り。前任者との引き継ぎ、その後避難所をまわって必要数に応じた救援物資を分配します。
また、疾患が悪化した患者さまの緊急対応に従事しました。多く見られたのは歯の痛みの悪化、被せ物の脱離、義歯の破損・紛失、水不足・歯ブラシの不足による口腔内清掃状態の悪化が多かったです。やはり自宅から避難所暮らしになったためのストレスが多くの引き金になっているように思われます。
滋賀県からも順次、他域歯科医師会が参加し2月中旬までに任務完了、以降は地元歯科医師会が引き継ぎ、活動されました。
比較的スムーズな救援活動になったのは、やはり1995年におこった阪神淡路大震災・2011年東日本大震災の教訓があったためと思われます。
被害規模が大きく未曾有の災害であったため、われわれ歯科医師にとっても初動が悪く、救援物資の調達も後手に回り、さまざまな口腔内疾患や口腔内清掃状態の悪化を食い止めることができませんでした。
この時の反省に基づき、救援物資の備蓄や必要なもの・不必要なもの、物資の優先順位などを前もって検討していた事、また災害発生直後から日数の経過により治療内容が変化していく事、このあたりは被災された方々から得た、貴重な経験を生かす事ができた賜物と考えます。
被災地は衣食住、全てが非日常に落ち入ります。また日常への復帰がいつになるか、見通しが立たない場合も多いため、その間のストレスは大変なものです。
その間、われわれ歯科医師も少しでも被災された方々に寄り添い、手助けと健康維持の一助になるため頑張っています。
「健康な体は先ずはお口から」と申します。お口のプロとして国民一人一人の健康を願うばかりです。
地震発生からちょうど一年。最後に、被災されました方々のご健勝と1日も早い被災地の復興を祈念申し上げます。
日々のメンテナンスで歯を守りましょう!
お問合せは住井歯科・矯正歯科まで